[CardWirth] カードワースの制約
副題「欠点は長所であり、長所は欠点であるという話。」
(以下、CardWirthを「CW」と略します。)
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CWでは、そのシステム上、まず冒険者の宿を作成し、次にそこに所属する冒険者という建前のキャラクター(PC)を作ります。プレイヤーは宿で作成したPCや彼らが冒険から連れ帰った元NPCのPCを操作して様々なシナリオを遊ぶ事になります。
つまり、多数存在するCWシナリオは、冒険者の宿なる存在を介して一つの世界として結合していると考えて良いでしょう。これはCWの特徴であり、クロスオーバーでシナリオに生かすこともできる大きな長所です。が、同時に大きな欠点でもあります。シナリオを「groupAsk作品を始めとする他シナリオも含めた大きな世界の一部」として作ろうとする限り、自ずから描けるものに限界が生じるからです。
ただ、この欠点がCWシナリオを作ろうとする人にとって大きな問題となる事は、まず無さそうです。
CWのシステムとは相容れない全く独自のゲームを作りたい場合、RPGツクールなどの作品が単体で自己完結する方式の制作ツールを選ばれる方がほとんどではないかと思いますし、恐らく私もそうするでしょう。
制作に慣れている等の理由でCWを使うとしても、添付テキストで事前に説明したり専用NPCでプレイしてもらうといった対策が取れます。
何か困るとしたら、基本的にはgroupAsk作品に見られる大雑把に中世ヨーロッパ風ファンタジー的世界観に沿いつつ、現実界の人物や出来事を反映させたいと思う時ぐらいでしょうか。
しかし、そもそも「大雑把に中世ヨーロッパ風ファンタジー的世界」の解釈から既に人それぞれ。現実ネタがどこまで許されるかも、結局のところ人による、モノによるという事になりそうです。また、何の脈絡もないのと必然性が感じられるのとでは、見る側の受け取り方も全く違うはず。
考えすぎてガチガチに自主規制してしまうのもつまらん、と思います。
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↑の元文は雑文綴の未掲載分です。
思い出したのは、まさに現実ネタ込みのシナリオを制作中だからです;
なお、当時サイトに掲載しなかったのは明確な公式基準が無く結論が出ない問題である事、そしてこれは重要ですが、結論を出す必要が無いと思われる事が理由でした。
CWのシナリオ作りは、かなり作り手お任せのシステムです。
Ask作品の雰囲気とかけ離れたものを表現する場合、説得力のあるストーリーを描く力量なり専用宿などの対策なりがあるに越した事はないでしょうし、「CWシナリオとして」の需要の有無という問題もあります。
が、公式サイトやヘルプにCW世界の基礎的説明はあれど、それから外れた作品を“作ってはいけない”という縛りは見当たらず。作りたければ作っていいよという事なんでしょうね。うーん、太っ腹!
シナリオ作者がTRPGで言うGMの役割を果たすと共に、ある程度ルールブックにあたるものもいじれるところが、CWの魅力の一つではないでしょうか。この自由さを良い方向に活かしていきたいものです。